鷹羽常盤回答
「なあ、ナギ、暇か? うんきっとそうに違いない。というワケで当主命令! コレ持って常盤のトコ行ってきな」
「は? 何ですのん急に。・・・・・・藍兄、あての返事聞く前に勝手に決めてはりますやん。――これ、いつやったか、あてが答えてた質問どすな。これやったら、あてが聞きに行くより、藍兄と楽しゅうお喋りしながら答えた方が、常盤坊は喜ばはるんと違う?」
「んー、俺もアイツが喜ぶのは嬉しいんだケド、瓦版屋さんからのご指名なんだよね。『日柳さんが聞き役、常盤さんが答える役で是非』ってさ。あ、そうそう。これな、呉助さんとこから貰った紅月本舗の栗羊羹。終わったら食っていいぞ」
「何やて?! 紅月本舗の栗羊羹?! それを先に言いなはれ。ほな、行ってきます」
↑質問聞き取り役・鷹羽日柳↑ ↑質問回答役・鷹羽常盤↑
「あ、いたいた。常盤坊ー!! 藍兄からの頼まれものどす。急で悪いけど、あてが今から質問読み上げるよってに、答えてってくれへん? 終わったら、紅月さんとこの栗羊羹でお茶にするさかい」
「はい。兄様のご用事でしたら喜んで!」
1. あなたのお名前は?
鷹羽 常盤(たかば ときわ)です。以降お見知りおきを。
「常盤坊、あてに向かって『お見知りおきを』はおかしいんちゃう?」
え? これ、聞き役はナギ兄さんですけど、ご覧になるのは瓦版をご覧になった皆さんですよね。
「ああ、それで――ほんに、常盤坊は行儀がようて、可愛らしなぁ」
2. ご存じの方はその由来なんかを。
瞳の色を見た兄様が、「綺麗な色だし、風の神様の子供だから常盤」と名付けてくださった――と聞いています。兄様が考えて下さったと聞いて、自分の名前が大好きになりました。
「坊・・・・・・あてには、ソレってけっこう適当なこと言うてるだけにきこえるんやけど・・・・・・」
(あともっと言うと常盤坊の瞳のお色を『綺麗な風守護の瞳をした子だよ』って当主はんが言うてはったんを、そのまんま復唱してただけに見えてんけど。……言わへん方が、ええやろなぁ)
そんなことありません! 兄様のことだからきっと何か深いお考えあってのことだと思います。
3. 現在の年齢と、わかれば誕生日・血液型を教えてください。
実線部隊に入れて、ようやく討伐慣れしてきた4ヶ月。血液型? 血に形なんてあるのですか? 今度兄様に聞いてみます。
「そういやこの質問、8代はんも藍兄も知らへん言うてはったね。藍兄も、坊のは知らへんのちゃう?」
そうでしょうか? 兄様はとても博識ですので、きっと兄様にわからないことなんてないと思います。
4. 髪の色、瞳の色、肌の色を教えてください。
髪は明るめの金茶、瞳は若葉色と翡翠色の中間ぐらいの明るい翠。肌は健康的な都の人たちとよく似た感じの色合いだとよく言われます。
瞳の色に風の加護が現れているのは嬉しいです。一目見て、兄様と兄弟だとわかりますから。
「いや、どっちかっていうと坊は藍兄にあんま似てへんと思いますけど――ああもう、そんな悲しそうな顔せんとくれやす! 目元はたしかによう似てはるよ!」
本当ですか? 嬉しいです!
5. 身長、体重、靴のサイズ(笑)なんかも教えてください。
身長152cm、体重44kg、靴? 履いたこと、ありませんから・・・・・・。背はきっと、兄様みたいに伸びると思います!
「いやー、藍兄は特別大きいよってな。坊はそれくらいがよろしいわ。藍兄、あれで時々、色んなところで屈んで歩かなあかんから『背中や肩なんかが凝る』って言うてはったよ」
そうなんですか? ではあとで常盤が兄様の肩を揉んでさしあげます!
6. スリーサイズを教えてください(笑)上から順に。
兄様が、『これは半分シャレだから、ヤだったら飛ばして良いぞ』と仰っておられましたので、答えずにおきます。
「まぁ、あてや見てはる街の皆さんも、男はんのこういう情報聞いたかて――何もおもろないしな」
7. あなたの口調、一人称、二人称は?
一人称は常盤。もう少し大きくなったら外では自分のことは「私」を使うようにと兄様から言われているのですけど・・・・・・。
二人称は貴方、口調は・・・・・・そうですね、8代様の口調を真似ていれば揉め事になることは少ないとイツ花さんから聞いているので。
でも、8代さんより話すのが速めですし、なかなかあのやわらかい雰囲気は真似出来ません。
「嫌やな、常盤坊は常盤坊でよろしいわ。どっちか言うたら、てきぱきした印象になってるしええんちゃう?」
ありがとうございます。
8. あなたの父君、母君のお名前を教えてください。
父上は「おぼろ幻八」様、母上の名前は「伽羅」です。母上は、常盤がこの家に来る前にお亡くなりになったそうなので、幻灯ぐらいしか知りません。
でも、常盤と――何より兄様の母上ですから、きっと素敵な方に違いないと思います!
「そうやね・・・・・・・伽羅姉さんは、まぁその・・・・・なんというか、バーンとォ! 強い女性(おひと)やったね」
9. ご職業は何ですか?
薙刀士です。兄様から、奥義のコツはこっそり教えてもらったのですけど・・・・・・。
『常盤なら俺が習得できてない、氷雨の母君が創った奥義もいつか覚えられる日がくるよ。だから頑張んな』って言って頂けたので、日々特訓中です。
「常盤坊は頑張りやさんなええ子やなぁ。奥義て、何で使い方教えたら封印せなあかんのやろ? あれ、結構困りものどすな。術みたいに『併せ』ができたらええのに」
(プレイヤー注:PS版俺屍では、奥義は子供に伝えちゃうと親の方は使えなくなってしまうシステムでした。PSP版俺屍Rでは改善されて戦術の幅が広まりました)
10. 愛用の武器はありますか?
はふりの鋒。兄様とおそろいです! でも、どうせなら新品より兄様のお下がりの方が嬉しいです。
「まぁ、武器(えもの)は使い込んだものの方が馴染みが良いよってに――え? そういう意味と違う?」
11. 愛用の防具はありますか?
鎖かたびら。こちらは兄様が昔使っていて、小さくなって着られなくなったものを頂いたんです。大切に使っています!
「・・・・・・坊。あてには、今ひとつようわからんのやけど。防具は、お古より新しい方貰た方が嬉しいんとちゃう??」
新品なんかより、兄様が使い込まれたものを譲っていただく方が、常盤は万倍嬉しいです!
「あ、そう」
(やっぱようわからんわ・・・・・・)
12. お気に入りの装飾品は?
金の首飾り。前に兄様に、「兄様がお使いだった『海の首飾り』が良いです」ってお願いしたのですけど・・・・・・。
何か、特別な思い出の詰まった品らしくて、あれだけはどれだけお願いしてもお譲り頂けないんです。
代わりに、『常盤にはこっちの色の方が似合うよ』って渡して下さった翠の腕輪と一緒に、常盤の今の宝物です。
「そういや、藍兄いまは当主やから『当主の指輪』以外は付けられへん筈やのに、何でやろ?」
さあ・・・・・・よほどのご事情があるのでしょう。『大切な想い出だから、あんまり簡単に話したくないんだ・・・・・ごめんな』とだけ仰られました。
そのときの兄様のお顔が、何だかとてもお寂しそうというか、お辛そうでしたので、それ以上駄々をこねてはいけないって思ったんです。
(どこぞの女子からもろたんやろか。案外、藍兄の本命のおなごやったりしてな。まぁええわ、あんまり引っ張っても常盤坊がさみしそうな顔するからやめとこ)
13. 朱の首輪をつけたこと・・・あります?
兄様はそんなことなさいませんよ。
「まぁ、そうやね。『あれは質屋に売ってお金に換えるもの』やて言うてはったし」
14. 奥義を覚えたら使っちゃいたくなる方ですか?
むしろ、絶えた奥義を見事復活させて、兄様にぜひ見て頂いて、『よくやった』って褒めていただけたら、常盤はとっても嬉しいです!
「ま、まぁ頑張りや」
15. あなたのオススメ戦術は?
白鏡で兄様の力を写し取って攻撃。どなたかが怪我をしたらすぐに回復。
16. 携帯袋の中に常に入ってるものってありますか?
神仙水と引波のお守り。常盤には、理由はよくわからないのですけど、兄様が『コレだけは絶対入れとけ』って、仰いましたので。
「そうやね。いざってとき、常夜見を回復出来ひんのは怖いよってな」
17. あとちょっとで迷宮最深部、というところで一月が経過。あなたなら続行しますか? それとも帰還?
兄様と一緒なら続行。兄様がお家でお待ちなら帰ります。
「・・・・・・。坊の基準は、『藍兄が居てるか居てへんか』なんやね」
18. 夏の御前試合と白骨城討伐、どちらを優先したいですか?
白骨城。兄様とご一緒できるのが一番良いのですけど・・・・・・もし、兄様がご一緒でないなら――捨丸は、常盤が討ちます。
「――不思議やね。時雨坊も、おんなじようなこと言うてはったよ」
19. 実はあまり行きたくない迷宮ってあります?
全部。
「ええ? 常盤坊、討伐嫌なんか? なら、留守番しとく?」
そうじゃなくて・・・・・・。常盤は、兄様が危ない目に遭うのが嫌ですし、常盤が怪我をして兄様にご心配をおかけするのも嫌なんです。
常盤が留守番をするのであれば、きっと兄様はご自分が討伐に行くことを望まれます。だから――
「皆まで言わんでよろしいわ。――まぁ、討伐て、あんまり楽しいもんでもあれへんからな」
(なんかこの子、健気やな。藍兄にも伽羅姉さんにもホンマ似てへんわ。言うたら怒らはるから言わんけど)
20. 逆にオススメな迷宮とか。
討伐に行かなくて良い暮らしができるなら、それが一番――? どうしたんですか?
「いや・・・・・『やっぱ兄弟やな』って思いましてん。藍兄も、おんなじこと言うてはったよ」
21. カモにしやすい(笑)鬼っています?
さぁ? そういう油断って、結構危険だと思います。
22. 死にかけたことはありますか? 差し支えなければ原因も。
ありません。
「そういや、大怪我して帰ってきたとか無いし、調子悪い人が居てたら休養とかすすめてるし。藍兄は、あれでけっこうええ当主やね」
『結構』じゃなくて! 兄様はとても立派で素晴らしい方です! ・・・・・・怒りますよ。
「わかったわかった。ほな、次いこか」
23. 漢方薬のお世話になったことはありますか?
ありません。そういえば・・・・・・あれって、本当にそんなにひどい味なのでしょうか? 8代様はわりと普通に飲んでいらしたような。
「あてに聞かれても、飲んだことあらへんよってに、分らしまへんえ。まぁその・・・・・・8代はんは、味の好みが普通とちょおっと、違うてはったから――あ。それか、薬屋さんが飲みやすい味に整えてくれてはったん違う?」
24. お世話になってる術は?
白鏡、あとは速瀬とお雫です。
「そういや常盤坊は、よう白鏡を使うてはるね」
萌子や防人をばらばらにかけるより、白鏡を使って兄様のお力を写し取った方が効率が良いので。
25. リーダー、参謀、その他大勢。自分はどの位置だと思いますか?
その他大勢。リーダーはもちろん兄様。常盤は兄様にずっとついていきます!
「うーん・・・・・・ま、この一途なところが、常盤坊のええところでもあらはるし、あてはもう何も言われへんわ」
26. あなたは肉体派?それとも知能派?
知能派になるんじゃないでしょうか。常盤は、兄様のように素手で戦うことはできませんから。
「いや、裏通りとか花街の方に行かへんのやったら、素手で戦う機会はあんまあらへんよってな。常盤坊は藍兄の、ああいうところは見習わんでよろしいよ」
27. 責任感は強い方ですか?
ええと・・・・・・兄様のご期待に沿えるように精進します!
(おやおや。坊はほんまに、藍兄のことが好きなんどすなあ)
28. あなたは楽観的? それとも悲観的?
悲観的かもしれません。兄様によく『おまえ色々気にしすぎ』と言われますから。
「なんや、藍兄と坊を足したらちょうどええ按配になるんとちゃうかと、あてなんかは思いますけどな」
29. 口より先に手が出るタイプですか?
ええと、どちらかというと時雨君がそういうご気性ですので。そういう方を止める役、ですよね。
「ああ、うん。あても口と手が同時に出るよってに、すんまへんなぁ・・・・・・」
え? そうなんですか? ナギ兄さんは落ち着いた方かと思っていましたけど。
「うん、まぁ・・・・・・8代はんがお元気やった頃は、あのお人にみんな色々助けられとりましたよってにな。あて、結構『いらち』なんどす」
30. 他人に迷惑をかけるほう?それともかけられる方ですか?
兄様に、とてもとてもご迷惑をおかけしていると思います。早く一人前になって、常盤が兄様をお助けしたいです。
(何や可愛らしいなぁ。坊の方が、その藍兄に実は結構迷惑かけられとるように見えるんやけど、この子もまったく自覚がおへんなぁ)
ナギ兄さん?
「ああ、すんまへん。そんなに心配せんでも、坊は充分、藍兄やあてらの助けになれてるよ。だからたまには、藍兄に我侭のひとつも言うて、甘えてあげたらよろしいわ」
え・・・・・・常盤には、兄様を困らせるようなことは、できません・・・・・・。
「そんなん心配しなや。藍兄もええ大人どす。小さい子らのちょっとした我侭なんて、バーンと受け止めてくれはります」
31. あなたの性格を一言でいうと?
ひとこと、ですか・・・・・・。難しいですね。いつか兄様のように、立派な薙刀士になれたら良いと思っているのですけど。
「あてから見て、でよろしいなら『健気』とか『一途』な弟はん、てとこやろか」
32. あなたの長所は何ですか?
両親から、風に関わる良い能力を受け継いだところ・・・・・・でしょうか?
「心の力は、『土』が強う出とる感じがあらはるね。あ、もちろんええ意味で言うてるよ」
33. では短所は
そうですね・・・・・・足元を固めようとして、機会を逃がすことがある、っていうところでしょうか。兄様のように、迅速に決断できるようになりたいです。
「いや坊はそのまんまでおってもらわな。討伐隊が『いらち』ばっかりになってしまって危ないわ」
34. 好きなことは?
お掃除。お家やお部屋が綺麗だと、嬉しいですよね。
「イツ花ちゃんが喜んではったよ。藍兄が当主になってから、当主の間が散らかって困ると思ってたんやけど、坊が時々片してくれるから助かってはるんやて」
兄様は、着物を脱ぎっぱなしにする癖がおありですから。でも、書類はいつもきちんと整理されているんですよ。
35. 嫌いなことは?
兄様が出陣されるとき、留守番をするのが嫌です。
「せっかく休養できるんやし、ゆっくりしたらよろしいやろ」
何もできずに、家でひたすら皆様のご無事を祈る時間って、思っていたより長く感じるので・・・・・・。
「そんなに心配せんでも、藍兄が当主になってから、皆無事に帰ってきてますやろ?」
36. 今一番の悩み事は?
兄様がお出かけになるとき、常盤も一緒についていきたいのですが、行き先によっては『おまえの年齢じゃ危ないから』とお連れいただけないことがあるんです。
・・・・・・そんなに危ない場所なら、わざわざ兄様が行かれなくても良いのに、と思います。
「ええと・・・・・・お酒を飲みはる、怖い怖いおっちゃんらのいてるところは、まあ確かに・・・・・・その、坊みたいに愛らしいお子さんが歩くところとちゃいますよってな」
37. 休養中、何をして過ごしますか?
お家の板張りの部分を磨いたり、着物を洗い張りしたりしてます。
「え? あてらの着物も、坊が洗ってくれてはったんどすか? てっきりイツ花ちゃんがやってくれてるもんやと」
言いにくんですが、ナギ兄さん。イツ花さんは気にしていませんけど、常盤は自分や兄様の褌を女性に洗ってもらうのは、その・・・・・・。
「ああ、坊は繊細なんやね。イツ花ちゃんかて、それがお仕事なんやからそんなん一々気にしてはらへんよ」
38. 行きつけのお店とかってありますか?
染物屋さんと、雑貨屋さん。あとは、大工さんのところですね。最近とくに、直してもすぐに雨漏りするので。
「そうやね。あても前に熊五郎さんがウチにきはったときに、『そろそろ建て替えを考えた方がエエで』って言ってたって、藍兄にも伝えてんけど」
39. お祭りは好きですか?
好きですよ。兄様や時雨君が、嬉しそうにしてますから。
「坊は、楽しんでる誰かを見て楽しめるお人なんどすな。ええことどす」
40. 建立物のネーミング、どう思ってます?
もっと短い名前にすれば、街の人たちに勝手な略称を付けられなくなるのでは? と、思いますけど・・・・・・。
「そうやね。変に凝った名前にしはるから『呼びにくい』て言われるのに。お役所の人も、気づかはったらよろしいのや」
41. 美人画屋さんに行ったことはありますか? また、好みの美人画は?
行ったことはないですが・・・・・・あの、8代様と兄様をお描きになった絵師さん。兄様の姿絵、常盤も一枚欲しいです!
「そんなん、ご本人を飽きるほど見てはりますのに――何で欲しいん?」
・・・・・・討伐にご一緒できないなら、せめて絵姿の兄様を見て、ご無事をお祈りしたいので・・・・・・。
「あてらの無事は祈ってくれはらへんのどすか? ――嫌やな、冗談どす。そんな顔せんといて?」
42. 相場を張るのに自信はありますか?
まったくありません。兄様ならきっと、張った相場でお家を建て替えられるのではないでしょうか?
「坊、藍兄かて神様やあらへんのやから、10割が10割当てるんは流石に無理どす。不思議と、時雨坊の予想は今んとこ外れてへんけど、あんな小さい子を相場屋に連れていくのはあんまり褒められたことやあれへんよってな」
43. 仲の良い人はいますか?
仲の良い、ですか? 特に、いませんけど・・・・・・。
「そんなん言いなや。何や、あて寂しなるわ」
ええと、ナギ兄さんや常陸兄さんのことは尊敬してますし、時雨君のことも大切ですけど・・・・・・。兄様は常盤にとっては『素晴らしい立派な兄上』ですけど、多分この質問の意味って、そういうことじゃないと思うんですよね・・・・・・。
「うーん、まぁ確かに、『家族』と友達は違いますよってな。坊、休養中街に出かけてみたらよろしいんと違う?」
44. 親友と呼べる人はいますか?
上に同じく。
「大丈夫。坊はとてもええ子やし、きっとそのうち『親友』呼べる相手に巡り合えると、あては思いますえ」
45. ライバルと呼べる人はいますか?
時雨君。
「は? 何でですのん?」
常盤も、あれくらいの大きさのときは、よく兄様に抱き上げてもらったり肩車してもらっていたのに・・・・・・。
「嫌やな、常盤坊くらいの背丈の子を抱えてはったら、藍兄が検非違使に呼び止められまっせ。せっかく、屈んでもらわんでも話せる背丈になったんやし、並んで歩かはったらよろしいのや」
46. 家族仲は良い方ですか? また、どう思ってますか?
はい。家族仲はとても良いです。大切に思っています。
「これはまぁ、さっき聞いてたとおりどすな」
47. 当主様のこと、どう思っていますか?
兄様は、お強くて、格好良くて、素敵な・・・・・・常盤の自慢の兄様です!
(まぁ確かに、尊敬できるところもおはしますけど、あてはどっちか言うたら藍兄のええかげんな所が目に付くさかい、坊みたいに素直に尊敬出来へんわ。これも、言ったらまた常盤坊が怒らはるから黙っとこ)
48. 尊敬する人、憧れている人はいますか?
兄様。
「まぁ、そうでっしゃろ。ここまでも散々きかされとりますよってに、あてボチボチおなかいっぱいどす」
49. 趣味・特技はありますか?
趣味は兵法書を読むこと。書を読むのは好きですし、色々な知識を覚えて兄様のお役に立ちたいです。
特技は切り絵。時雨君がぐずったとき、切り絵を作って見せてあげると機嫌を直してくれることが多くて、知らないうちに上達しました。
「なんや、常盤坊も『ええお兄ちゃん』してますなぁ。微笑ましいわ」
50. 初代様に一言お願いします。
ええと・・・・・・貴方のおかげで、常盤は兄様や、時雨君や、ナギ兄さんや常陸兄さんに逢うことができました。
ですからどうか、七瀬家が短命と朱点の呪いを受けたことを悲しまないで下さい。
「そういや、あてらは実感あんまあれへんけど。七瀬はんは『普通の都人と同じだけ生きられた、普通の娘らしいことも出来た筈なのに。どうしてあの子は――』て、お蔵の整理したときの初代はんの手記に書いてあったような気ぃするな」
51. ・・・お疲れではありませんか?
どうしたんですか急に。
「いや、あてもこれ聞かれたとき、正直ちょおっと吃驚したんどすけどな。これが51番目の質問なんどす。・・・・・・坊、どうする? お茶にしまひょか?」
でもその栗羊羹、『ご用事が終わったら』と兄様がくださったんですよね? なら、ご用時を終わらせるのが先でしょう。
「ああもう、そう言わはると思たわ」(苦笑)
52. 小さいときの将来の夢はなんでしたか?
8代様のような大人になれたら、兄様とずっと一緒にいられるのかな・・・・・・と、漠然と思っていました。
「うーん。あて、何て返したらええのか、気の利いた言葉が思い浮かばへんよ・・・・・・」
53. 癖はありますか?
文を折るとき、つい変形折にしてしまいます。時雨君に何か書置きするとき、動物の形にすると喜んでくれたので、つい。
「まぁ、常盤坊くらいの年齢(とし)やったら、別におかしいことあれへんよって、ええんとちゃうかな?」
54. 嘘は上手い方ですか?
下手だと思います。隠し事をして、兄様に気づかれなかったことは一度もありませんから。
「まぁ確かに、藍兄は人の嘘はすぐ見破りはるよってな。ただ、常盤坊はやっぱ、そのまんまが可愛らしいてよろしいと、あては思いますけどな」
55. 感情がすぐ表に出るほうですか?
出ているのではないでしょうか。兄様も、その方が喜ばれますし。
「藍兄に限らんと、あてらも自分より小さい子らに対しては『お子さんが要らん気遣いはやめときなはれや』て思てるさかいな」
56. よく食べる方ですか? 味にはうるさい?
農家の方が一生懸命育てくださった穀物やお野菜、漁師さんが獲ってきてくださったお肉やお魚ですよ? 美味しく頂かなくては罰が当たります。
「8代はんもおんなじこと言うてはったわ。――の割りに、8代はんの味付けは・・・・・・味がまったくせえへんか、めっちゃめちゃ濃いか、のどっちかやったけどね」
そうだったんですか? 兄様が全て『美味しい』と召し上がっていたので、美味しいんだろうなと思っていましたが。
「・・・・・・あて、今ちょっとだけ藍兄のことを見直しました。藍兄、口に合わへんもんはほとんど箸をつけはらへんお人やのに」
57. 好きな食べ物はありますか?
甘いもの。紅月本舗のうぐいす餅がお気に入りです。
「紅月さんのは、ハズレがあらへんからね」
58. 好きな飲物は?
ほうじ茶。番茶も良いですけど、ほうじ茶の香りが好きなんです。
「ほうじ茶はお茶菓子のお供だけやのうて、ご飯の後なんかにもええね」
59. お酒、強いですか?
・・・・・・こっそり、兄様のとっておかれたのをひと口だけ含んだことがあるんですけど、目が回って・・・・・・。
兄様はどうして、あんなものを好まれるのでしょうね? こればっかりは常盤には理解できません。
「うわ、常盤坊って意外に大胆なことをしはるんやね。藍兄、そのあと何も言わへんかったん?」
叱られました。『酒なんてまた酒屋にいけば分けてもらえるけど、慣れないヤツが飲むと危ないから、元服まで二度とするなよ』って。
でも元服のお祝いのときでも、あんなのもう飲みたくないです・・・・・・。
60. 宝物はありますか?
訓練のときに兄様と一緒に写筆した皆伝書や術の巻物。それと、8代様がご存命のときに家族皆で撮影した幻灯。それから、兄様に頂いた金の首飾りと翠の腕輪。
「やっぱ、訓練のときに色々書き込んだ巻物やなんかは、『自分こんだけ頑張ったやん』って誇らしい気持ちになれますよってな」
61. 好きな動物は何ですか?
イヌ科の動物の、お耳は可愛いですよね。
そういえば、兄様の父神さまのあの素敵なお耳とふわふわ尻尾は、どうして兄様に受け継がれなかったんでしょう。
残念です。
「ぶっ・・・・・・坊、それ本気で言うてはるん? ああもう、伽羅姉さんに似ぃひんでエエとこがちゃっかり似てはるわ・・・・・・あはは、苦し」
そんなに笑わなくても・・・・・・。
62. 嫌いな動物は?
猫。どうしてでしょうね、お耳の形はイヌ科の動物そっくりなのに。紅蓮の祠の奥にいる野良猫とか、大嫌いです。
「なんやあて、お夏はんが気の毒に思えてきたわ・・・・・・」
63. 好きな色はありますか?
深緑、若葉色、翡翠色。それと、晴れた日の空の色も、好きですね。
「深緑はともかく、他の色は常盤坊にもよう似合わはるお色やからね」
64. 嫌いな色は?
赤。チカチカして目に痛いです。
65. 座右の銘はありますか?
そうですね・・・・・・前に兄様が言ってらしたことの受け売りですけど、『毒は5人目の味方』『陽炎や石猿、祭り系とかの補助系術の効果時間には気をつけろ』でしょうか。
「まあ、大事なこと言うか『基本』どすな」
66. 今までに一番印象に残っている出来事を教えてください。
兄様にはじめてお会いしたとき。
父神さまから、『あなたのお母様にとてもよく似たお方ですよ。面影はどちらかというと父君似ですがね』とお伺いしていて、どんな素敵な方なんだろう・・・・・・と思っていました。
お稲荷様のお子だと聞いていたので、きっと素敵なお耳とふわふわ尻尾をお持ちの方かと思っていたのですが、そんなのなくても兄様はとても格好良い方です。
「・・・・・・あえて、あてはココで何か言うんは控えさせてもらいますえ」
67. 裏切られた!と思った瞬間は?
8代様がお亡くなりになったとき。色々と。
「あん時の藍兄の荒れ様言うたら・・・・・・まぁ、よう立ち直ってくれはりましたな。おかげさんで、今があるんやけどね。ただ、常盤坊も時雨坊も、藍兄にとっての『特別』どすえ、きっと」
そう、でしょうか・・・・・・?
「そんなん、こんだけ一緒におったら嫌でも分かります。藍兄は――まぁ確かに、毎回違う芸奴はんと歩いてはったりするようなとこがおはしますけど。あれで結構情の深いお人どすえ」
68. これまでの人生で一番の失敗は?
兄様のお酒をこっそり頂いたときのことでしょうね・・・・・・。もう二度としません。
「まあ、話聞いた感じ、常盤坊はそんなにお酒が強い方やあらへんみたいやし、その方がええやろ」
69. これまでの人生で一番の自慢話をしてください。
兄様の弟に生まれたことが、常盤の一番の自慢です!
「・・・・・・藍兄は、幸せモンどすな」
70. 今までの人生の中での懺悔をひとつどうぞ。
兄様あての、御文を勝手に捨ててしまってごめんなさい。
「は? 何や、おなごの文にヤキモチ焼いて捨てはったんか。それは、お酒のときより怒らはったんと違う?」
いえ、逆に・・・・・・ちょっとだけ困ったような顔をなさいましたけど、すぐに『しょーがないなぁ。常盤はそんなに兄ちゃんが好きか!』って、常盤のほっぺたを挟んで、嬉しそうに笑っていらっしゃいました。
71. 「交神の儀」についてどう思っていますか?
そうですね・・・・・・兄様の分まで、常盤が頑張ります。
72. 交神のお相手、好きに選べるとしたら基準は顔? それとも遺伝情報?
好きに選べるとしたら、素敵なお耳をお持ちの『九尾吊りお紺』様を天界に戻してさしあげたいです。
「そこかい!」
73. ここだけの話、交神相手の女神様のこと、どう思っていますか?
まだ行っていないので答えようが無いです。
「まぁ、その通りどすな」
74. 一族間でのロマンスについてあなたの考えは?
え? 異性が一人も居ない状態で聞かれましても。返答にすごく困るのですが。
「まぁ、そうどすな。あてか常陸はんが交神行ったら、可愛い女の子が授かりますように」
75. 「外」の人とのロマンスについてあなたの考えは?
生きている時間の長さが違うのに? 幸せになれるわけないでしょう。七瀬様と同じ選択が出来る方が、そうそう居るとは思えないですね。
(この子なりに色々思うとこあって、おなごの文を捨てはったんやね。やっぱこの子、可愛らしいわ)
76. 「外」の人たちから、自分たちはどう思われていると思いますか?
そうですね・・・・・・その辺りに咲いている『花』に対するような感情なんじゃないですか?
「上手いたとえかもしれへんね。まぁ、遠からずあたってるんやおへんやろか」
77. もし、「外」の女性から告白されたらどうします?
お断りします。常盤には、大事なお役目がありますので。
「常盤坊、あて思うんやけど。坊はもうちょおっと、肩の力を抜いた方がええんと違うやろか」
78. 好きな人はいますか?
兄様。
「・・・・・・それこそこれ、常盤坊の言ってる意図と違う意味での質問ちゃうかと、あては思いますけどな。まぁええわ、ここまで読んでくれてはるお人やったら、多分察しはつきますやろ」
79. 好きなタイプは?
神様でしたら、イヌ科のお耳をお持ちの方。
「まぁ、そうくると思とりましたけどな」
80. 嫌いな人はいますか?
具体的に相手のお名前を存じ上げないのですが。常盤が行けない場所で、兄様と一緒の時間を常盤から奪う人は大ッキライです。
って、ナギ兄さん、なに笑ってらっしゃるんですか!
「そう怒りなや。ああもう、藍兄はこんなに慕われて兄冥利につきるんとちゃう? ・・・・・・くく」
81. 嫌いな人や、苦手だな~と思うのって、どんなタイプの人ですか?
御前試合でお会いしたお役人。・・・・・・あと、その、何て言うか。
舐める様にこちらをご覧になる方も、正直あんまり良い気分ではないので・・・・・・。
「・・・・・・常盤坊はそんな無茶せぇへんと思いますけど、念の為言うとくわ。元服過ぎて、なんや酔っ払いに絡まれたときに上手いことあしらえるようになるまで、藍兄がイツ花ちゃんに内緒で出かけてるようなトコには、絶対一人で行ったらあかんえ」
82. あなたの周囲で一番変だと思う人は? どこが変ですか?
うーん。時雨君、体の成長がちょっと皆と違いませんか? 『外』の子供達と同じように、まったく背が伸びていないように見えるのですが。
「それ絶対、本人に言ったらあかんで。あの子けっこう、背がなかなか伸びへんの気にしてはるよってな」
83. 文句を言いたい人に今ここでぶちまけてください。
兄様。常盤を置いてこっそりお外にお出かけされるのは、なるべくおやめいただきたいのです・・・・・・。
84. 年取ったなぁ、と思わず思ってしまうのってどんなときですか?
ありません。
85. 「外」の人たちのこと、どう思っていますか?
特に。好きとか嫌いとかいう感情が沸くほど、常盤は街の皆さんのことを知りませんから。
「坊はもうちょおっと、外に出ていろんなものや人に触れた方がよろしいわ」
86. ふたつの呪いが無かったら、どんな人生になっていたと思いますか?
兄様と一緒に居られる時間が、もっと長くなりますよね。素敵です。
「まぁそらそうどすけど。常盤坊、他にもっと無いん?」
87. イツ花さんに一言お願いします。
兄様と常盤の褌は洗わなくて良いです! 常盤がやりますから!
88. 黄川人さんに一言お願いします。
ええと、その。下袴ぐらいでしたら、差し上げますよ・・・・・・?
「あのお人のアレは、あてらに対する嫌がらせとちゃいます?」
89. 「氏神」さまについてあなたの意見を聞かせてください。
そうですね・・・・・・正直よく分からないです。お会いしたこと無いですし。
自分がなっても良いか、ということでしたら『お役に立てるのなら、喜んで」と答えます。
90. 今一番欲しいものは?
早く大人になりたいです。
「そんな、急がんでええよ。お家にずっといてたら分かれへんやろと思いますけど、あてらの命はほんまにほんまに短いんどすえ」
91. 自分のこと、好きですか?
兄様が好きでいてくれる常盤なら、好きです。
「その考え方は正直ちょおっと危なっかしいわ。常盤坊、もう少し自分の物差しでものを図ることを覚えなはれ」
92. 人気ありますか?あるとしたらどの部分だと思いますそうですね?
わかりません。あまり出歩きませんし・・・・・・。
「まぁ、常盤坊はええ子やし、お店や街の皆さんと揉め事をおこすようなことはしはらへんやろ」
93. これだけは誰にも負けない!といえるものは?
兄様のことを一番好きなのは常盤です!
「・・・・・・」
94. これだけは譲れない! というものは?
兄様の隣。時雨君には負けません!
「何や聞く前からわかってたような気はしてますけど。『勝ち負け』は何か違うと、あては思いますけどな」
95. ・・・・・モテますか?
モテるって何ですか?
「まぁ、簡単に言うたら、藍兄みたいにおなごから沢山御文を頂くことどす」
じゃぁ要りません。
96. 贈り物をもらうとしたら、何が嬉しいですか?
兄様が喜ぶもの。お酒とか。
「いやこれは、常盤坊が貰って嬉しいもん・・・・・・て意味やと思いますけど」
兄様が喜ばれるものでしたら、常盤は何でも嬉しいですよ?
97. こんちくしょー、家出してやる! と思ったことはありますか?
いいえ。8代様は、なにか放っておけないような方でしたし、兄様のお傍を離れるなんて絶対に嫌です。
「何や七瀬家のお人や、外のお人は、皆そんなこと言わはるな。あてから見たら、8代はんはしっかりしてはった強いお人や思いますけどな」
98. 口説き文句をひとつどうぞ。
口説き文句とは何ですか?
「あー・・・・・・藍兄が、おなごからの御文へお返しにつづってるようなお言葉のことどす」
嫌ですね、常盤は兄様の御文を勝手に読んだりしませんよ。
(さっき、おなごからの文を勝手に捨てた言うたのはどこのどなたさんや! まぁええ、何か疲れたから次いこ、次)
99. 見事朱点打倒を果たしました! そのときあなたの心境は? また、その後の人生についての希望はありますか?
これで、兄様とずっと一緒にいられるんですね! 嬉しいです! その後・・・・・・そうですね、まだ習得できていない、奥義や術の修行に集中したいです。
「討伐行かんでええようになったんやから、好きに過ごしたらよろしいやん」
ええと・・・・・・常盤は、書物を読んで戦術の研究をしたりするの、討伐とは関係なく好きなんですよ。
100. お疲れさまでした。最後に一言どうぞ。
お疲れ様でした。・・・・・・? ナギ兄さん、何だかすごく疲れた顔をしてますね? じゃぁお茶でも――
(常盤が立ち上がって手をかける直前、すぱーんと勢い良く襖が開く)
「あ、兄様?」
「おつかれさーん! そろそろ終わった頃じゃないかと思って。ほらナギ、抹茶。常盤にはこっち。俺はもうすぐ出かけるから、羊羹は二人で食べな」
藍晶が運んできたお盆には、湯気をたてている急須と、湯飲みがひとつ。茶器がひとつ。
「藍兄、おおきに。はいこれ。常盤坊がどんだけ藍兄のこと慕ってるか、読まはったらもう厭っちゅうくらいわかりまっせ。・・・・・・じゃあ、遠慮のう頂きます」