1020年・6月 記録者・4代目当主、蓉
相翼院・片羽ノお業に敗走。巻物取得・陽炎
蓮、ごめん。馬鹿は俺の方だった。
俺の所為で華蓮が――
「皮肉なもんだな……体に悪いことは、片っ端から試してみたのによ」
俺は蓮より3ヶ月も長生きして、蓮の娘と同じ月にあの世行きかよ。
「みんな、自分の好きな方へ向かって歩いていけばいいのよ。どの道も、間違ってなんかないわ」
華蓮は自分で決めたことだと譲らなかった。
最後までかっこつけた娘っ子だよ。ったく、馬鹿が。
敗走する羽目になったのも、隊長に年端もいかねぇ娘っ子を指名したのも俺だっつの。
誰の所為かっつったら、そんな娘たちに任せた大馬鹿――俺の所為だろうが。