1018年・10月 佑一人で討伐へ。
巻物取得・お焔、夏狂乱、防人
ちょっとスパルタかもと思ったが、今月の討伐は祐一人で行ってもらうことにした。
先月の記録の通り、私は小さい子の訓練期間は誰なりと指導者をつける主義だ。
彼なら、大怪我して敗走するような無茶はすまいし、剣士の私が一人で出陣するより狩れる鬼の数も多いのでな。
適材適所というヤツだ。スパルタというよりは、佑に対する信頼と言った方が正しいかな。
正直、女神の声に告げられるまま授かった佑は、息子というより……そうだな、共同経営者? 伴侶に近い気もするが、
色恋沙汰が絡むパートナーではないから、この表現が一番妥当だと自分では思う。
行く先は任せる、と言ったら鳥居千万宮に行ってきたらしい。
「新しい指南書などが無くて申し訳ない」と佑は言っていたが、
無事で帰ってきてくれたことが、私には何よりの戦果だ。よくやった。
記録では、私は蓉にのみ訓練をつけたことになっているが、
本当は二人並んで文机を並べて巻物や指南書を使ってその差し向かいに私がいたし、組み手も2対1だった。
蓮は後列からサポートして、時と場合に合わせて蓉が前列に出る。
実戦の仮想戦闘として、良い訓練になったのでは無いだろうか。