鬼退治のお仕事
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◆公儀妖鬼討伐士とは?
俺屍の世界には「鬼」が存在します。
その定義はあいまいで、「人に災いをなすもの」を一括りに鬼と呼んでる訳です。
で、次第にそれを退治することを生業としてくる者があらわれました。
いわゆる退治屋。これといって必要な資格は無く、自分の腕が資本です。
しかし都が活気を取り戻すに従い、帝のもとで筆頭討伐隊を決めるための御前試合が行われるようになると、退治屋は広く世間にもその存在を職業として 知られるようになってきました。
鬼退治自体にはもともと何か資格が必要だった訳ではないのですが、御前試合で『朱点童子打倒筆頭討伐隊』というものが出来た以上、討伐隊は帝の認め た正規の職業です。
そして、公に認められたものであるので、フリーの退治屋に比べて討伐の出発時と帰還時に色々めんどくさい手続きが必要な変わりに様々な恩恵が受けら れます。
つまりお役所にちゃんと届け出て、鬼退治をしてるのが『公儀妖鬼討伐士』。一族の他にも結構います。
お役所仕事なため融通の利かない部分もありますが、一般の表社会での反応は良くなります。
モグリの退治屋はかなりギリギリの線でですが、犯罪者ではありません。念のため。
◆公儀妖鬼討伐士のメリット
公儀の討伐士には身分証明章が発行され、これを見せれば街の中で武器持って歩いててもたいていは不問にされます。
(民間人相手に乱闘し ちゃったりしたら言い逃れは出来ませんが)
武具の買取の際にも武具ごとの登録証は必要ありません。
(ただし、武具屋の台帳にどういうルートで入ってきたのかはバッチリ記録されますから、盗品を売り飛ばそうモンならバレて捕まります。)
また、強力な武具は公儀妖鬼討伐士でないと売ってもらえません。
目安としては復興レベル6以上の武器防具あたりは、お金があってちゃんとしたお武家さんが相手でも売ってはいけないことになっています。
なので唯一品でない雫石とか、御前試合で下賜される以外に店では売っていないんですね。
(うっかり唯一品や非売品を売り飛ばして買い戻そうと思ったら、裏ルートを探せば出てきますが、最低でも売り飛ばした時の5倍ぐらいの値がついてま す。)
ちなみに公儀妖鬼討伐士でないお武家さんが武具を売り買いしようと思ったら、ややこしい手続きを踏んだあと、売値は討伐士に比べて3分の2、買おう と思ったらだいたい3割増の値段になります。
買い物する時にも公儀の討伐士は得してる訳ですね(笑)。
◆公儀妖鬼討伐士のデメリット
◇その壱、手続きの煩雑さ
公式なお仕事なので、討伐出発時と帰還時に、お役所に対して書類を提出しないといけません。
何処の迷宮に行くか。討伐隊の面子は何人か。
名前と職業の他、健康状態、装備と所持品もきっちり確認されます。
帰還時には討伐隊専用の帰還門があり、ここの結界に引っ掛かると都に入れてもらえません。
精神に異常をきたす種類の武具を未封印の状態で所持していると高確率で引っ掛かります。
結界の簡易チェックに引っ掛かると陰陽師による再検査です。
(このへん、空港の金属探知機というかボディーチェックみたいなモンだと思ってください。)
・・・もっとも帰還門使わなくても、問題あると都の結界に引っ掛かって入れませんが。
ちなみに、帰還門を使わずに都に入ったことがバレると公儀の討伐士をクビになります。
ついでに、問題あった場合なんかは手続きが倍になる上に、問題が解決されても一定期間は都に入れません。
(帰還門を使って結界に引っ掛かった場合の方が、帰還門を使わず侵入しようとして捕まった場合に比べて拘留期間は短いです。・・・当然ですが。)
都に帰還したあとは、だいたい一週間以内に討伐の成果をまとめて報告する必要があります。
書類の提出の他、参内が必要ですが、倒した鬼の数は大まかに数えてで構わない事になっています。
ただ、迷宮の親玉にあたる鬼を倒した時には必ず報告することになっています。
神々の解放も同様です。
鷹羽家では、このへんの書類の作成・提出・参内報告などが当主の仕事になっています。
◇その弐、民間人は神様です(笑)
鬼と戦うために許された、強力な武器防具の所持。戦う力。
ともすれば治安を乱す凶器になりかねません。
現在日本で一定以上の武術の有段者や、プロボクサーが一般人に怪我させちゃイカンのと同様に、 『公儀妖鬼討伐士』はいかなる理由があろうと、民間人に怪我させたら即、犯罪者です。
身分証の剥奪はもちろん、厳しい罰則が待っています。
(わかりやすく言うと「喧嘩を売られても買っては駄目」です。絡まれた場合などは即座に逃げ出しましょう。笑。)
これがモグリの退治屋だともともと届自体出してないんで、都から出るのも入るのも(結界に引っ掛からなければ) ノーチェックです。
報告も必要ない代わりに、正規の討伐隊が貰える報奨金も貰えません。
喧嘩は売られたのを買ったのであれば正当防衛も認められます。 (・・・相手の怪我の程度にもよりますが。あまりやり過ぎると、いくら非登録だろうが町人同士の喧嘩であろうが捕まります。)
犯罪はバレなければ捕まりません。
(バレなきゃ捕まらないのは正規の討伐士でも同じですが)
正規の討伐士の方が、相手とトラブルになった場合に訴えられる確率が高いです。
腕に自信のあるモグリの退治屋は揉め事になった場合、 脅迫するなり袖の下掴ませるなりすれば、たいてい相手は黙っててくれます。